アロマセラピスト 恵美
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こんにちは。
My Earth アロマテラピースクール アロマセラピスト 井上恵美 です。
AEAJのアロマテラピーインストラクター試験の勉強には、アロマスクールで必ず学ばなければならない「必須履修科目」が在ります。
でもそれとは別に、多くのアロマスクールが、インストラクター養成講座として、「標準カリキュラム」の講座を開催しています。
スクールで学ぶ必要があることは解るけど、この「必須履修科目」と「標準カリキュラム」では、実際のところ何が違うのでしょうか?
今回の記事では、これからインストラクター試験の勉強をする方が気になるであろう、「必須履修科目」と「標準カリキュラム」の違いについてお話しします。
自分が「必須履修科目」だけで試験勉強ができるのか、それとも標準カリキュラムの講座を受ける方が適しているのか?その判断材料としてご覧ください。
<目 次>
必須履修科目と標準カリキュラムとは
まず初めに、そもそも「必須履修科目」と「標準カリキュラム」とは何なのか、基本的な情報について簡単に確認しておきましょう。
詳しくは後ほどまたお話ししますので、違いをご存知の方はサラッと目を通してみてください。
「必須履修科目」とは
必須履修科目について、AEAJでは以下のように記載されています。
標準カリキュラムのうち、アロマテラピーインストラクターになる上で必要な実践分野や体験的学習科目として定められた4科目のみを認定スクールで学習していただきます。
必須履修科目を修了すると、アロマテラピーインストラクター試験の受験条件を満たすことができます。
AEAJ参照:アロマテラピーインストラクター学習内容
インストラクター試験に挑戦するためには、AEAJの定める受験条件をクリアする必要があり、そのうちの一つが必須履修科目の修了です。
この必須履修科目というのは、インストラクターのカリキュラムのうち、「この部分は必ずスクールで受講してください」と定められている範囲のことを言います。
全てのカリキュラムのうち、半分より少し多いくらいの内容が対象範囲です。
この必須履修科目を認定スクールで受講することで、インストラクター試験の受験資格を得ることができます。
「標準カリキュラム」とは
必須履修科目が、アロマテラピーインストラクター試験を受けるために、アロマスクールで学ばなければならない、最低限のカリキュラムであるのに対して。
試験範囲の学習内容を、全てアロマスクールで学ぶものが、「標準カリキュラム」です。
基本的に、インストラクターの学習カリキュラムは、AEAJの発行している公式テキストを元に、内容が定められています。
そのテキストのうち、一部の内容だけをスクールで受講するのが「必須履修科目」、全てを学ぶのが「標準カリキュラム」というように考えてください。
必須履修科目と標準カリキュラムについて、基本がお分かりいただけたと思います。
それではこの後は、今のお話をベースに、具体的にどんな違いがあるのかを見ていきましょう。
必須履修科目と標準カリキュラムの違い
アロマテラピーインストラクターの学習内容をベースに、「必須履修科目」と「標準カリキュラム」の違いについて確認して行きましょう。
ちなみに、ここでは当スクールで開催している、アロマテラピーインストラクター養成講座の内容をもとに、解説をしています。
「必須履修科目」の学習内容
必須履修科目では、以下の学習内容について、25時間以上を掛けて学習していきます。
<学習科目:25時間以上>
- 精油を深める(7時間以上)
- 精油のプロフィール(7時間以上)
- アロマテラピー利用法(6時間以上)
- アロマテラピー教育(5時間以上)
必須履修科目の学習科目は、主に精油に関する知識や利用法、アロマテラピーの教育に関する内容です。
アロマテラピーインストラクター資格は、アロマテラピー教育をするための資格ですので、アロマテラピーに関する知識と、教育に関する内容は、受講が必須となっています。
「標準カリキュラム」の学習内容
標準カリキュラムでは、試験範囲の全ての内容を48時間以上かけて学習します。
<学習科目:48時間以上>
- アロマテラピーの歴史(1時間以上)
- 解剖生理学(9時間以上)
- タッチング論(1時間以上)
- ボランティア論(1時間以上)
- アロマテラピーに役立つ素材(2時間以上)
- 健康学(5時間以上)
- ストレスとメンタルヘルス(2時間以上)
- ホスピタリティとコミュニケーション(2時間以上)
- 精油を深める(7時間以上)※
- 精油のプロフィール(7時間以上)※
- アロマテラピー利用法(6時間以上)※
- アロマテラピー教育(5時間以上)※
※必須履修科目と共通
必須履修科目の範囲は、アロマテラピーと教育に関する内容がメインですが、標準カリキュラム全体で見てみると、解剖生理学と健康学の範囲もとても多くなっています。
学習科目を一覧にすると、必須履修科目には含まれていない内容が、意外と多いのがお分かりいただけるでしょう。
ここで記載されている、必須の25時間や標準の48時間は、あくまで最低限とされるAEAJが定めた規定時間であり、スクールによって独自の内容もプラスされるため、多少前後することがあります。
2種類のカリキュラムの違い
必須履修科目と標準カリキュラムの、それぞれの学習科目を見ていただくとお解りいただけるように、必須履修科目となっているのは、アロマテラピーに関する専門科目です。
標準カリキュラムでは、医療分野に該当する学習項目である、解剖生理学、タッチング論、健康学、ストレスとメンタルヘルス、などが含まれており。
さらには、ボランティア論やホスピタリティとコミュニケーションなどの、人との関係性の構築や、社会貢献に関する項目を学ぶこととなります。
標準カリキュラムでは、アロマテラピーインストラクター資格取得後に、現場で活躍するために特化した、専門知識を学ぶといっても良いでしょう。
それぞれのカリキュラムが適している人
「必須履修科目」と「標準カリキュラム」のそれぞれの内容と違いについては、お解りいただけたことでしょう。
それでは、この2つのコースには、それぞれどんな人が適しているのか、解説していきます。
必須履修科目での受験が適している人
必須履修科目の範囲に含まれていない科目で、多くの人がとくに頭を悩ませるのが解剖生理学です。
そのため、この部分が独学でも大丈夫かどうか、というのが必須履修科目を選ぶか標準カリキュラムを選ぶかの、大きなポイントになります。
もし、下記の様な職業についており、すでに専門分野の知識のある方なら、必須履修科目の受講だけでも、アロマテラピーインストラクター試験の合格は十分可能でしょう。
- 医師
- 薬剤師
- 看護師
- 鍼灸・整体師
- スポーツトレーナー
こうした医療系の方なら、すでに専門学校や大学などで、医療の専門知識を学ばれているので、改めてスクールで受講しなくても問題ないでしょう。
なので、それらの知識や技術をお持ちの方は、自分でテキストを基におさらいしてください。っといった感じです。
標準カリキュラムでの受験が適している人
先の内容からもお解りのように、医療系の知識や経験がない方は、「標準カリキュラム」を選択して、アロマスクールで学ぶ方が適しているといえます。
もちろん、公式テキストをもとに自学自習をすることでも、インストラクター試験に合格できない訳ではありません。
ですが、独学になる学習範囲も広く、内容も複雑なので、根気良く学習を進めていく必要があります。
ですから以下のような方は、できれば標準カリキュラムを受講して、試験に臨むことがおすすめです。
- 医療系の知識や経験がない人
- 計画的に勉強することが苦手ない人
- 学習意欲を持続させることが難しい人
- 自学自習での受験に自信が無い人
こうしたそれぞれの学習科目の違いが、どちらのコースを選ぶか決めるための、判断材料になります。
必須履修科目に含まれない内容を、自分で学習していけるかどうか、というのをポイントに、どちらにするかを考えてみましょう。
アロマスクールでの必須と標準の受講料
資格を取ろうと考えたとき、どれくらいの費用が掛かるのか、というのは大切なポイントですよね。
必須履修科目と、標準カリキュラムでは、受講時間が倍ぐらい違いますから、もちろんアロマスクールで掛かる費用も違ってきます。
受講にかかる費用
受講料はスクールによって差がありますが、標準カリキュラムは16〜20万円、必須履修科目は9〜12万円程のスクールが多いです。
アロマテラピーインストラクター講座は、カリキュラムが多く合計時間が48時間と長いため、そのぶん費用も掛かります。
標準と必須では価格に大きな違いがありますが、これは受講時間の合計が倍近く違うためです。
費用をなるべく抑えたい場合には、必須の方が格段に安くなりますが、その分、自学自習の範囲が多くなるので、その辺りも考えながら、どちらにするか検討しましょう。
多くのスクールでは、受講料に公式テキストの費用も含まれていますが、テキスト代が別になっている場合もあります。
また、他に実習用の材料が必要な場合もありますので、そうした点も確認してから申し込むと、追加で予想外の費用が掛かることもなく、安心ですよ。
受講料以外の費用の詳細
アロマテラピーインストラクターになるためには、受講料以外にも必要な費用が2つあります。
まず一つは、受験のために必要な受講料5,236円(税込)で、もう一つが、合格後に資格の認定を受けるために必要な、資格登録認定料10,450円(税込)です。
この2つはAEAJに直接支払う費用で、価格が統一されています。
これからインストラクターを目指すにあたり、これらの費用も踏まえて、合計でどれくらい必要かを考えてみましょう。
費用については、「アロマテラピーインストラクター資格を得るための費用の詳細」の中で、もっと詳しく解説していますので、そちらも参考にしてください。
結論として必須と標準のどちらが良いの?
ここまで、それぞれの違いを見てきましたが、最後に結論として、インストラクター試験の勉強をするなら、必須履修科目と標準カリキュラムのどちらが良いのかを、お話ししましょう。
これはあくまで、私のスクールで開催している、アロマテラピーインストラクター養成講座を基にお話しします。
資格取得後に仕事にしたいか?
アロマテラピーインストラクター資格を取得することが目的で、その後に資格を活かして活動する予定が無いのなら、必須履修科目だけでも良いでしょう。
でも、インストラクター資格を取得後に、その資格を仕事で活かしたいとか、講師としてアロマ教室を開催したい、いずれは独立開業したいとお考えなら、標準カリキュラムがおすすめです。
というのも、あくまで必須履修科目は、インストラクタ―試験を受けるための、最低限の講座であり、それ以上の内容は含まれていないからです。
でも、標準カリキュラムの講座には、講師としての活動を見据えた内容が、多く含まれています。
ですから、資格を取った後のことを考えているなら、標準カリキュラムの方が良いでしょう。
講座の中では、単に試験に合格するための知識だけでなく、より実践的な内容もお伝えしています。
標準カリキュラムの方が、講座の範囲が広いぶん、多くの内容をお伝えできるので、アロマの資格を実用的に活かしていきたい方は、標準コースの方がおすすめです。
資格試験の合格率について
そしてもう一つ重要なことは、インストラクター試験は、アロマテラピー検定に比べると、比較的難易度が高く、合格率が低い資格試験だということです。
必須でも標準でも、本気で勉強に取り組まないと合格は出来ませんし、必須履修科目だけだと、さらにシッカリと自主学習を重ねる必要があります。
2017年のインストラクター試験の改訂によって、現在では合格率が70%程度まで上がっているようですが、それでも気は抜けません。
ですから、難関を越える覚悟をもって、集中的に勉強に取り組まなければ、必須と標準のどちらでも、合格することは難しいと思ってください。
最近のインストラクター試験の難易度や合格率については、こちらの「講師がアロマテラピーインストラクター試験の難易度や合格率を解説」で詳しく解説していますよ。
スクールでの実際のところは?
実際、インストラクター資格を取った方は、必須と標準のどちらを選んでいるのでしょう。
私のスクールの生徒さんは・・・と言いますと、圧倒的に「標準カリキュラムコース」を選ばれる方が多いです。
やはり、体系的にちゃんとスクールで学んだ方が、安心と考える方が多いようです。そして私としても正直言うと、「標準カリキュラム」の受講をおすすめします。
というのも、「標準カリキュラム」の受講生に対しては、最後に実力診断テストも行い、「絶対合格できる!」と思える合格ラインに達するまで、レポートや再試験のサポートをするからです。
ですから、必須履修科目だけでなく、全てのカリキュラムをきちんとスクールで学びたい方や、独学は不安という方には「標準カリキュラム」をおすすめいたします。
どちらのコースが良いかは、それぞれにメリット・デメリットがありますので、そうした違いを踏まえながら、ご自身のライフスタイルや目標に合わせてお選びいただくとよいでしょう。
なお、インストラクター養成講座の詳細については、こちらの「アロマテラピーインストラクター養成講座【オンライン開催】」をご覧くださいね。
必須履修科目を修了すると、スクールから履修証明書が発行されます。
インストラクター試験の受験申し込みには、その履修証明書の提出が必要です。